scrap’s blog

If you like water, you already like 72% of me.http://scrap.hatenadiary.com/entry/2018/12/06/175608

深海魚

独りベッドに横たわる。

この季節は夜が来るのが早い。

暗く冷たい寝室は、まるで閉ざされた水槽のようだ。

そこにじっとしている魚のようだ、とふと思った。

 

過去にも似たように感じたことがある。

心の淵で、ずっと心の中を見続けていた。

真っ暗な心に何かあるはず、と。

自分は何者なのか、何か成せるのか、というようなありきたりな問いを抱いていて、漠然とただ広がる、それでいて光を感じない現実から目を背けたかったのかもしれない。

 

あるときふと振り返った背後に光が満ちていたことを、今でも覚えている。

今まで見続けていたものは、自分の心なんかじゃなく影だった。

心には何かあるかもしれないが、影には何もないと悟った。

自分がすべきことは心の中・・・心が見ていた影の中ではなく、背後にあったのだ。

 

それから闇雲に光の中を進むことになったが、一抹の不安が芽生えたのもこのころだ。

光の届かない深海に住む魚には、目がないという。あるいは、あっても機能しないのだとか。

人ですら幼少期の適切な頃に光を浴びないと、機能的には問題なくても視覚機能に障害が出るらしい。

真っ暗な影を眺めていた心には、いざ光の下にきてもそれを感知しないのではないか。

 

光の中を進んでいたはずの、暗い現在。

漠然と、それでも広がりは無くなった現在に、相変わらず光は見えない。

心は光を見ていたのではなく、見えない光に魅せられていたのではないか。

ここにいるのは、盲目と化した魚なのではないか。

 

目指すべきは、果てしなく遠い。

曲がりくねった道の先に、光は見えない。

光を、もっと光を。

願いも差し伸べた手も、闇の中に溶けていく。