scrap’s blog

If you like water, you already like 72% of me.

疲れてしまった逃避行

早朝、昨晩の仕事の疲れが抜けきっていない中、ここには居たくなかった。

愛車を道路に出し、押して行く。
迷惑にならないような場所に来たら、跨りエンジンをかける。

行き先は決まっていない。

まずは市街を出よう。

ここには居たくない。

 

エンジン音に身を委ねて東へ向かう。

気になるルートはあるのだが、そこはもう少し秋が熟してから行きたい場所だ。

山間の細い峠道を進む。

落ち葉を踏み鳴らし、次の街への境目にさしかかろうとしたその時、エンジンが止まった。

ガス欠である。

 

コックを操作し予備タンクに切り替える。

ガソリンスタンドまで持つだろうか。エンジンが再び唸る。

そういえば昨日の昼頃から何も食べていない。こちらもガス欠気味だ。

ワインディングロードをひた走り、登っては下り、心細いトンネルを抜ける。

ようやく建物がまばらになり始めた頃、再びエンジンが沈黙した。

 

近くのガソリンスタンドを探そうとした時に気がついた。
スマホを置いて来てしまっていたことに。

疲れ果ててしまった時、人との繋がりを避けたくなる。
無意識に、でも確実に、置いて来たのだろう。

大きい通りまでバイクを押して行く。

涼しい午前でも汗は吹き出た。

 

ガソリンスタンドの前にコンビニを発見した。

休憩がてら、ガソリンスタンドの場所を尋ねる。

どうやら数キロ進めばあるようだ。

数キロなら楽勝に歩ける距離だ。が、今回は愛車と一緒だ。

とりあえず腹に物を入れる。

さて、行こうか。

 

ガソリンスタンドについた頃にはベトベトになっていた。営業していてよかった。

満タンをお願いし、忘れる前にコックを定位置に戻しておく。

スタッフのおっさんと話していると、急にスマホが心配になって来た。

誰かからの連絡があるかもしれない。

息を吐きながらも再びうなり始めたエンジンと一緒に、街へは行かずに帰路につくことにした。

 

愛車は満タンになると、ひとつ低く唸る。

ハンドルを握り続けた手のひらは、愛車の鼓動を直に受け痺れてすらいる。

朝とは別な意味で疲れていた。それでも家路を急ぐ。

太陽は高くても、もう直上にはならない。

木陰が路面にコントラスト強く写し出される。

その上を風のように。

 

その太陽もうちに着く頃には陰り始めてきていた。

社会や人との繋がりに疲れて、今朝逃げ出したうち。

社会や人との繋がりを半ば強制づけるスマホ

そして夜会や人との繋がりの大切さを思い出して怖くなった。

疲れるけど必要なもの。

 

スマホには着信があり、今通話しながら締めを書いてます。

こうしているとやっぱり安心する自分がいる。

人生ってこういうものかも。

疲れて、逃げて、それでも戻って、日々と戦う。

さぁ、来週も頑張って働こう。